PRO ATC/X

今回、ATCアドオンである PRO ATC/X を導入しましたので、紹介したいと思います。
私は今までは、ADFなどで、STARをいじってなんとかデフォルトのATC飛行をしていましたが、やはりいつも使っているとドキドキするので、今回こちらのアドオンを導入した次第です。

 

デフォルトのATCで私が一番気に入らないのが、高度指示なんです。いつも指示通りに飛ぶと必ず降下が間に合いません。空港まで数マイルというところで8000ft…これでは話になりません。
デフォルトATCのルートに関しては、一般的にはSTARは再現できないと言われがちですが、トランジションをADFで製作することでまるでSTARのように指示してくれます。トランジションでを選択すると、方位の指示がなくなるので(とはいえトランジションのWPTへ飛ばないと方位を指示されますが…)大回りさせられることはありません。やり方はこちらの記事で紹介しています。
またデフォルトはややしつこいですよね。安全に飛んで欲しい気持ちはわかりますが、指示を守らないだけですぐ「expedite!!」と言われます。もう、expediteアレルギーになりそうです(笑)

 

かといってATCを入れておかないとファイナルなのに、他機に離陸されたりして理不尽なゴーアラウンドとなるので、やはりATCなしで飛ぶわけには行きません。デフォルトのATCは、VFRだと視界不良時に空港へ着陸すらさせてもらえないという風になっていますからね。

 

こんな思いで、PRO ATC/Xを導入しました。非常にいいです。が、遊ぶ前にはいくつか設定が必要そうなので、まずはそれから話しておきます。

 

まずいきなりなんですが、コントロールパネルを開いてください。Windows10はスタートメニュの「Windows システム ツール」のフォルダにあります。そして「ハードウェアとサウンド」>「サウンド」(下部に並ぶ「システム音量の調整」などではなく、サウンドそのものをクリック)>ウィンドウが開くので「通信」タブを開く>ラジオボタン「何もしない」を選択してください。

こうしなければ、PRO ATC/X使用中に突然音量が下がりほぼ何も聞こえない状態に陥ってします。この設定をしておくことで、常に音量が出る状態になります。ただし、ゲームバーでフライトシミュレーターを録画しているときは、設定にかかわらず音量が下がってしまうことがあります。おそらく録画をするのはFSX・P3Dであり、そのほかのアプリは音量を下げられるのだと思います。リプレイを録画する際は、PRO ATC/Xは切ってしまってもいいかもしれません。

 

またPRO ATC/Xのウィンドウを開くコマンドは初期設定ではCtrl+0となっていますが、これも変更しておくことをお勧めします。ATCウィンドウは突然呼び出したいというシーンも多いかと思います。そこでコンビネーションコマンドで呼び出しになっていると、2つキーを同時に押さなければならないので、いちいち面倒くさいです。皆さん少なくともPCの前にジョイスティック的なものをおいてるでしょうから、できるだけシングルコマンドの方がいいですよね。

最初はもう使わないATCウィンドウのコマンドのキーアサイメントをデリートして、空いたその「@」に指定していたのですが、その後ウィンドウが立ち上がらなくなってしまったので、今は「a」にしています。(「a」キーも何かにアサイメントされていたので削除しました。)私はコントローラーを大量に接続しているので、この影響かもしれません。

 

さらに、デフォルトの音声の設定ではANAを「オールニッポン」ではなく「エイエヌエー」と呼んだり、JALを「ジャパンエア」ではなく「ジェイエーエル」と呼んだりします。恐らく、音のファイルがなのだと思います。ユーザーの方が製作したものを利用できるそうなのでインストールすれば、なんとかできるかも知れません。とりあえずは、Data>Voices>Pilot and Copilot VoicesでCaptMadDogをキャプテンボイスにするととりあえず大丈夫です。彼は「オールニッポン」を読むことができます。代償として、かれは「デシマル」を読むときに声が豹変しますが(笑)コパイボイスではいことに注意してください。

PRO ATC/Xのフォルダを漁っていると、ボイスのフォルダがあります。ここの中から全日空やら日本航空やらのファイルをクリックして、試しに再生させてみると「オールニッポン」、「ジャパンエア」を言えるかどうかが分かると思います。もはやJALやANAがない人もいます(笑)スカイマークやエアードゥ、JTAなどのが含まれたボイスが追加できればいいんですが...

また探してみます。

 

PRO ATC/Xの全体の音量は90~95%に下げておくことをお勧めします。100%だとややうるさいように思えます。夜間のことを考えればそのくらいが妥当だお思います。なにせひたすらしゃべり続けているので(笑)

 

これであとはフライトプランを作ります。私はいつもSimBrief(こちら)を使用しています。製作したらFSX/P3D用の〇〇〇〇.plnをダウンロードし、これをインポートします。インポートは、上のボタンの「Flight Plan」をクリックし、Import > From File にして先ほどのplnファイルをインポートします。ルートが長ければ長いほどロードに時間がかかります。

 

ロードしたら、細かい設定をいじりましょう。便名、出発ゲート、到着ゲート、ダイバートする空港も設定しておきます。ここはPRO ATC/Xの醍醐味でもありますから必ず設定しておくことをお勧めします。何かあって、本当にダイバートする場合、リクエストすることできます。また到着ゲートは設定しておくと着陸後そこまで案内してくれます。ここはデフォルトのATCではできない相談です。(とはいえ、UTLの影響で先客がいることがありますが)まだALTN空港への着陸はやったことがないので、どう指示してくれるかわかりません。ここの指示まで的確だとしたら嬉しいですね。後日検証します。

PRO ATC/Xでは、ここでの入力作業が肝になります。

最初のフライトプラン作成できちんと代替空港まで設定していれば、飛行中このようになり、代替空港へ向かうこともできます。

 

それでは各項目のインプレッション
①飛行準備〜プッシュバック
空港で準備ができたら、PRO ATC/X の飛びたいフライトプランを右クリックして「Fly Now」を選択肢します。ただし、Simbriefなどでフライトプランを作成し、PMDGのFMCに.rteファイルを読み込ませたい場合、PRO ATC/Xの起動の前に読みこませておきましょう。

「Fly Now」時、下部に3つのチェックボックスがあるのですが、ここにチェックボックスを入れていると恐らくFSXのフライトプラン.plnファイルやこのPMDGの.rteファイルが上書きされたり、消去されたりしてしまいます。PMDGの方は消去されてしまうみたいなので、あらかじめロードしておくか、PRO ATC/X側でこのCreate... のチェックボックスを外しておくことをお勧めします。が、私はPRO ATC/Xがどういう風な.plnファイルを作ったのかを、ニーボードのNavlogで確認するため、Create... チェックボックスはオンにして、PMDGの方はPRO ATC/X起動前にロードさせておいています。

OKでPRO ATC/Xが開始されます。OKを押す前にsimbriefで製作したPMDG用のフライトプランなどは、読み込ませておきましょう。

 

デフォルトのATCでは、フライトをやめるまでテキストとして交信内容が記録されていきますが、PRO ATC/Xではこのようなウィンドウを介した形式ではなく、上の写真の様な帯形式でのやり取りになります。さらにこの帯はATC側から自分に対しての交信の時のみ表示されます。表示が静止するか、駅の電光掲示板のように横に流れるタイプかはOptionで選択可能です。またそこでは何秒表示するかも設定できます。
自分が何を言っているか、また他機AIとの通信内容はテキストでは見れないので、ほぼ英語のリスニングになります(笑)とは言え、ATCは英語の勉強にならないといわれていますが...(笑)

 

それでは空港に移動しましょう。まずはIFRにあたって、ATIS にクリアランスを申請します。コパイに周波数変更をお願い(PRO ATC/Xの設定画面でコパイによる自動応答と自動周波数変更が設定可。)していても、ここは手動で切り替える必要があります。もし離陸滑走路をあらかじめ変更したい場合は、このタイミングでリクエストしておきます。クリアランスが終わると、ATISからグラウンドへハンドオフを命ぜられるのですが、グランドで離陸滑走路の変更をリクエストしても、「ATISの周波数に戻して」と言われます。もしコパイに交信を任せている場合、周波数変更を自動で変更してしまうので、離陸滑走路変更をしたい場合は、自分で周波数を戻してからリクエストします。
コツをつかめば、ATISがIFRの飛行計画書を読み終わると同時に、電光石火で別のランウェイをリクエストするとうまく行くことがあります。(笑)この場合、周波数変更の手間いらずなのでお勧めです。(笑)

 

滑走路は結構な数を選べます。ここの選択肢が多いのはいいところです。デフォルトは平行滑走路しか使えないですからね。
ちなみに出発時間より早いと、稀に「ちょっと2分待って」と言われます。これは面白いです。
出発準備が終わったら、Start up & Pushbackをリクエストします。これをしてしまった以降は、離陸滑走路の変更はできません。この状況下で離陸滑走路を変えたいときは、自力でタキシングし、「Force Takeoff from this position」を利用して好きな滑走路から離陸できます。

 

②タキシング
タキシングですが、デフォルトのATCのように、矢印を表示させることはできません。ただし指示された経路はPRO ATC/Xのパネルを立ち上げ、3.Flight Plan Infomation で確認ができます。(デフォルトのATCより雑な経路案内ですよ)こうなってくると、空港のチャートがいるかもしれません…(笑)
ちなみになんとAIのトラフィックもコントロールしてくれます。が、やはり手に負えない状況になることもあります。デフォルトATCでもしばしばありますがAIと一本の誘導路でヘッドトゥヘッドしてしまうこともあります(笑)ただ、グラウンドコントロールには驚きでした。まさかグラウンドまではやってくれないと思っていたので。

タキシング中だとここの画面に通るタキシーウェイの番号(A1やE9やCなど)が表示されます。(上の写真は、まだタキシングのリクエストをしていない時点のものなので、表示されていませんが、タキシングのリクエストをするときちんと表示されますのでご安心の程。)
その他、聞き逃した情報はここで再度確認することができます。離陸後の上昇高度やスコークもこちらに表示されます。ちなみにスコークは自分で設定しなければなりません。PMDGの場合、スコークをセットしたらツマミの真ん中の"IDENT"ボタンを押す必要があります。

 

③離陸
離陸は、今までよりも多段階ステップとなります。タキシングをして、ある程度滑走路に近づくとグラウンドからタワーへハンドオフを命ぜられます。さらにタキシングを続け、滑走路端に行くと離陸をリクエストできます。ここでファイナルの着陸機がいると、ホールドを指示されます。これをしてくれるということは、ファイナルで他機に離陸されるといった事態は、PRO ATC/Xがアンダーコントロールしてくれますね。
また指示された滑走路以外から離陸したい場合は「Force Takeoff from this position」というものがありますので、これを利用すると現在の場所から好きに離陸できます。(まれにこの機能がうまく行かないこともありますが...)デフォルトATC(とずっと対比し続けるのもいかかがなものではないかと思いますが…)では無断離陸してもナビゲーションには移行してくれませんが、PRO ATC/Xの場合は無断離陸したらしたで、そのままナビゲーションを開始してくれるので中断することなく飛行できます。場合によっては「離陸を中止せよ」と注意されますが、そんなピンチなシチュエーションで指示を無視して離陸しても、上昇してしまえばなかったことになり、デパーチャーからナビゲーションが再開されます(笑)

 

④巡航
離陸後はフライトプランに示されたSIDを飛行するように指示されます。これはSimbriefなどでフライトプランを作れば、そのままそれが反映されるので便利です。稀にSIDをうまく通らないと、逆戻りするような方位を指示されますが、4.Other Requests>3.Direct to waypointでリクエストするとSIDの方向へ戻そうとする指示から、目の前の次のウェイポイントへ誘導してくれます。(場合によっては拒否されることもあるので、その場合はしばらく目的地へ飛行を続行して待ちましょう。ある程度出発地から離れてしまえば、リクエストできるようになります。)

なので、PRO ATC/Xにおける1番の肝は、フライトプランだと思います。おざなりなフライトプランを作っても、あまりPRO ATC/Xの良さは引き出せません。もっとも、指示を無視していても、そんなにうるさく言われることはありませんが。
巡航中は他のAI機と話しているのも聞こえます。特に設定で「Authetic Background ATC」をオンにしているとさらに会話が増え、非常に賑やかになります。が、これは単にある特定の音声を一定間隔で流す機能でして、似たような音声を複数回聞くだけなので、いまはオフにしています。気まぐれでオン/オフにするつもりです。でもこれはこれで雰囲気があっていいというところもあります。この機能では人間味ある会話が繰り広げられます。パイロットがATCに質問したり、なんか喧嘩っぽくなったりと雰囲気は抜群です。一応不自然にならないようにこの機能は地域ごとに音声を分けているそうですが、それでも同じ会話を何度か聞くので、オフにしています。これは設定で追加してバリエーションを増やせるかもしれません。

フライト中はこのような表示になります。

特に4.Other Requestsよりこのようなリクエストができます。一度試しに、燃料切れと嘘をついてエマージェンシーをかけてみたら近場の空港に降ろすように指示され、トランスポンダーも7700にしろといわれました。やはり飛行機マニアの方が制作されたアドオンという感じがいたします(笑)

 

⑤高度指示
こちらは全く文句ありません。あらかじめPRO ATC/XのOption>In-Flight>Manual desent initializationにチェックを入れる(実はチェック入れないでやったことはないのですが、多分入れておいたほうがいいと思います。)と、4.Other Requests>1.Initialize decent で降下の許可をもらうことができます。PMDGなどで指示よりも早くTODがきてしまった時には有効です。基本的には上昇と一緒で、指定高度+2000ftくらいのところで次の降下指示をくれます。この方が燃費の向上にもなります。稀に指定高度+2000ftへ到達したにもかかわらず、次の高度へうまく降ろしてくれないこともあるので、その場合は、4.Other Requests>4.Request Altitude で降下したい高度をリクエストしてしまいます。なお、大きく降下したい(例えば、FL380からFL100までなどの)場合、は順にリクエストしていく必要があります。(例えば、FL380→FL310→FL240→FL170→FL100のように)最終的に、空港に近づけば、アプローチの高度5000ftくらいを指示して〇〇アプローチにハンドオフしてくれます。Initialize decentでうまく降ろしてくれなくてもデフォルトATCのようになることはまずないでしょう。今までのデフォルトのATCは降下がうまくできないんですよ。巡航高度8000ftをリクエストし、なんとか下がれたとしてもなんとあろうことか再びFL140に上がれとかいってきます。このあとはおきまりの「expedite!!」地獄です(笑) 下がってまた上がるパイロットいるのか!?そして例の擬似STARなんですが、デフォルトのATCの指示する高度付近を飛行しなければ。なんとトランジションでタワーにコンタクトさせてくれません。こじゃあ世紀の大発明が台無しとういうことで、今回PRO ATC/Xに乗り換えした次第です。

 

TODに近づいたら、4.Other Requestsより降下を開始できます。

降りたいのにおろしてくれないときは、巡航高度の変更をリクエストすることでさらに降下を続けられます。あまりにも低かったり、現時点でリクエストした高度が地表すれすれだと「Negative」といわれ拒否されてしまいます。

 

⑥アプローチ〜着陸
空港に近づくとアプローチにコンタクトさせられます。この時点で、予定滑走路を言い渡されます。そして、このタイミングで着陸滑走路を変更したい場合は、リクエストできます。が、意外とこれに関しては融通が聞きません。風向きがグレーな時(どっちとも言えない横風の時など)しかリクエストできないようです。明らか逆の滑走路を選ぶと追い風になる場合はリクエストできないのです。というより、基本的に着陸滑走路のリクエストはできないことの方が多いです。タワーにコンタクトする際、手動で周波数変更をし、自ら着陸許可をとらなければなりません。あまりコパイにまかせっきりもダメみたいです(笑)プッシュバックとエンジンスタートリクエストなどもそうですが重要なシーンや不確定要素は自ら指示をする必要があります。
グランドの機体はちゃんとコントロールされていますので、ファイナルでAI機が勝手に離陸することもありません。

たまにATCと意見が食い違い、うまくtowerへのコンタクトまで進まないことがあります。(e.g. サークリングアプローチやどうしても逆の滑走路へ着陸したかったのにリクエストすらできなかった場合など)もうこの場合は、指示に従うか、ATCを切って己のゆく道を進んでください(笑)UTLはP3DやFSXの上のタブのAddonからUTLをResetすると離陸機も着陸機もいなくなります。Initializingのときに一瞬FPSがガクっと下がりますが(^^;)

 

なおデフォルトのATCはフライトの途中からナビゲーションを再開することはできますが、PRO ATC/Xの場合一度ストップしてしまうと中途再開や新規IFRリクエストはできないので注意してください。
また全体的に本格派のソフトだと感じています。エアライン/貨物便のパイロットで、IFRで、FMCを用いたLNAVやVNAVによる飛行をしない人にはあまりメリットのないソフトかもしれません。VFRをコントロールする機能はありません。だからこそできるこの機能たちといえるでしょうか。

 

感動したことの一つとして「グッディ」や「バイバイ」と言われることです(笑)こういうさりげなところにもかなりグッときてしまいました。今までATCにそんなこと言われたことがなかったので(笑)

ごくまれにナビゲーションが止まってしまったことが過去一度だけありますが、現在のPRO ATC/Xはバグも治っており、FPSへの影響も最小で、本格フライトをVATSIMなどを使わずにやる方には必携のアドオンではないでしょうか?(数週間使ってみましたが、ごくまれに交信の返信が返ってくるのが遅かったりしますが基本的にはちゃんと動いています)

お値段もActive Skyレベルの6~7千円はしますが、ATCをもうほんとにどうにかしたい!という方には感動のアドオンだと思います。ご購入をお考えの方にとって参考になれば幸いです。(あくまでもIFRで飛ぶ方にとって、です。)

 

★記事に関するコメントはCREW LOUNGE(こちら)まで。

2018年08月14日|資料のカテゴリー:アドオン